はじめに
突然ですが、皆さんは「療育」という言葉をご存じでしょうか?
療育とは、「療法教育」の略語で、発達障害や知的障害などの多岐に渡る障害を持つお子さんを対象に行っている支援の枠組みのことです。
私は「放課後等デイサービス」という療育を展開している現場で児童指導員として支援を実施していましたが、実に様々な子どもがいました。
(多機能型と言い、年齢や障害の区分等幅の広いお子さんをお預かりしている施設でした。)
例えば・・・
・小学校の普通学級に通っているが、全く勉強についていけない
・感情のコントロールができず、嫌なことがあるとすぐにお友達を叩いてしまう
・知的に遅れがある
・場面の切り替えが難しい
等でした。
昨今、「もしかしたら自分の子どもが発達に遅れがあるかも」「自分1人で育てるのが難しいかも」等と子育てしていく中で子どもに不安を感じる保護者も多く、療育の需要は以前に比べ、かなり高まっていると言えます。
この問題は、人に相談することも中々できないですよね。
そこで、今日は「療育」についての概要を明らかにしていくことで、今後支援を考えている人の参考になればなと思っております。
療育はどこで受けられる?
療育は、大きく主に下記の3つの箇所で受けることができます。
①専門の療育センター: 専門の療育センターや施設があります。これらの場所では、専門的な教育プログラムや各種療法(言語療法、作業療法など)が提供されます。多くの場合、専門の療育士や専門職が子どもたちの支援に従事しています。
私が従事していた「放課後等デイサービス」や未就学児を対象とする「児童発達支援」
もこれに該当します。
②学校内の特別支援教育: 学校においても、特別支援教育の枠組みの下で療育が行われることがあります。特別支援学級や資源室、または個別支援学級などがその例です。ここでは、学校の教員や専門の支援員が子どもたちに対して個別の支援を提供します。
③地域の支援サービス: 地域の保健福祉センターや地域包括支援センター、地域の診療所や療育クリニックなどでも療育が行われることがあります。これらの場所では、地域社会と連携しながら子どもと家族のニーズに応じた支援を提供します。
上記のような地域の支援サービスでは、①の施設の利用を紹介してくれたり、小学校や中学校への進学先の相談にも応じてくれるケースもあります。
個人的には、③のような地元に根付いた「地域〇〇センター」(※名称はそれぞれですが)や、「相談支援事業所△△」のような施設にまずは相談されることをお勧めします。
一度事前に相談したうえで今後の支援のことを考えると、上記の①や②などの適切な支援先をスムーズに見つけられる可能性が高まります。
療育では何をしているの?
では次に、「療育」では具体的に何をしているのでしょうか。
療育の現場で行われていることは、一般的に下記の4つです。
①個別化された支援: 各子どもの発達段階や障害の特性に応じた支援計画を立て、適切な教育プログラムや療法を提供します。
②多職種によるアプローチ: 専門家チーム(教育者、臨床心理士、言語療法士、作業療法士など)が協力し、総合的かつ包括的な支援を行います。
③家族の関与: 家族は子どもの療育プロセスにおいて重要な役割を果たします。家族との連携やサポートが、子どもの発達や成長に寄与します。
④学校や社会との連携: 学校や地域社会と協力し、子どもが日常生活で適切な支援を受けられるようにします。
基本的には、学校や習い事とは違い「画一的に教育プログラムにのせる」というよりも、1人1人個人に合わせた支援目標を決めているため、達成度が異なります。
たとえば、「長縄を1人ずつ10回とぶ」という集団活動があったとします。
すると「長縄をとぶ」「座って待つ」「外に出る」「皆と一緒に過ごす」などの要素がありますが、それぞれ支援目標が違うため
「長縄があと5回飛べれば目標達成だ」
「長縄はとんでいないが、皆と一緒に過ごしていたからこの子はOK」というように、同じメニューであっても達成目標が子どもごとに異なるということが起こります。
また上記に示した通り、療育には家族や学校、社会との接面なども含め、幅広い視野での支援が期待されています。
療育の成果
最後に療育の効果についてです。
療育の効果は個々の子どもによって異なりますが、適切な支援が行われることで、次のような成果が期待されます。
①学習の向上: 適切な教育的支援により、学習能力や社会的スキルの向上が見込まれます。
②自己肯定感の向上: 成功体験を通じて、自己肯定感や自信が育まれます。
③社会的適応能力の向上: 社会での関係構築やコミュニケーション能力の向上が期待されます。
①については、PTやOTなどの専門的技術によって道具を使った支援もあります。
また冒頭で私が挙げた「感情のコントロール」や「切り替えが苦手」等の社会性を課題なお子さんも多いですが、大人やほかの仲間との適切な環境を調整することで、③の目的を果たすことができるのではないかと考えています。
結論
療育は、発達障害を持つ子どもたちが自己実現し、社会で充実した生活を送るための重要な支援手段です。個別のニーズに応じた継続的な支援が、彼らの可能性を最大限に引き出すのに役立ちます。
近年はかなりメジャーになってきており、支援施設の母数が増えている印象です。
そのため、以前に比べたら敷居が低くなっている部分もあるのかな?と考えています。
この記事が、皆さまにとって少しでも参考になればと思っております。
拙いブログではありましたが、ここまでご覧いただきありがとうございました(^^)/