先日のヤフーニュースで、こんなニュースが流れてきました。
警察庁が9月15日に公表した「2022年中における少年の補導及び保護の概況」で、児童虐待事件の検挙件数が21年に比べ7件増の2181件、検挙人員が23人増の2222人となり、ともに過去最多を更新した。被害児童数は5人減の2214人だった。
被害児童が受けた虐待は▽身体的虐待1738人▽性的虐待368人▽心理的虐待72人▽ネグレクト(育児放棄)36人。年齢は13~15歳が多かった。
加害者は▽実父43%▽実母27%▽養・継父18%など。死亡した児童は37人だった。
昨年は、児童虐待件数が過去最多を更新したとのニュースです。
さて、早速本題ですがこのニュースをどのようにとらえるべきなのでしょうか。
というのも、このニュースをどのように捉え、現実をどのように受け止めるかで今後、児童虐待において求められる対応策が変わってくると思ったためです。
尚、この記事における児童虐待というのは、家庭内に限った虐待のことを指し、父や母などによる暴力・暴言のようなによって行われる虐待を指します。
率直に私がこの児童虐待増加を受け、このニュースをどのように受け止めているのか、私なりの解釈や見解を記事にしていきたいと思います。
少しでも、共感していただけたり、児童虐待について考えてくださる方が増えると良いなあと思いました。
ニュースへの分析①様々な要因によって単に件数が増加している
まず1つ目は、そもそも虐待の機会が増えているから、検挙件数も増えているという捉え方です。最もシンプルな考え方だと思います。
この可能性は、否めないと思います。
現に、家族としての機能の低下や社会的な結びつきが希薄化されてきていることなどは、問題として挙げられることが多いです。
核家族化や共働きなどの影響を受け、家族間の時間が十分に確保されないことで家族間での結びつきが弱まってしまうことや、家族そのものが孤立することで極端な人間関係が形成されてしまうことなどがあると言われています。
本来、家族の生活を維持するために外で働いているのに、それが結果として、間接的に子どもの生活に支障が出ることに繋がるというのは、なんとも言えないいたたまれない気持ちになります。
ニュースへの分析②社会的関心が高まることで、通報件数が増えた
続いて2つ目です。
これは1つ目とは異なり、ポジティブな解釈です。
「虐待が増えた!」というと、とてもネガティブな印象がありますが、逆にそれだけ発覚した数が増えているということでもあるのです。
例えば、「近所の子どもの泣き声が止まらない」「いつもあの子、服が汚れているな」というような子どもの様子に、国民が敏感になっているという可能性があります。
虐待により、結果的に子どもが命を落としてしまうという、凄惨な事件が毎年のように後を絶ちません。
そのたびに新聞の大見出しや連日ニュース番組で報道されることにより、多くの人が「もし近所に虐待の疑いがあったら通報しなければならない」という意識が高まっていった可能性が高いのではないかと個人的には思います。
ニュースへの分析③家族の孤立化が進んでいる
3つ目は、家族及び世帯の孤立化が進んでいるのではないかということです。
近年、情報化社会が進んでいると言われていますが、最近は特に強い傾向があります。
コロナ禍において急速にテレワークが普及し、自宅からでも出勤できるようになりました。また、大学や専門学校の授業もオンラインが普及しています。
それだけでなく、英会話やレッスン系の習い事なども画面越しで行われるオンラインがかなり普及しています。
上記のように情報化社会が急速に進み、人と人との関わりの機会が減少していますが、孤立化が進む要因はそれだけではないと私は考えます。
町内会などの地域の交流イベントや近所との交流の機会も減ってきているのではないかという点です。
各個人のプライバシー強化に対する意識が強くなっており、友人や家族のような親しい間柄以外の人とは、以前に比べて積極的な交流が減っている印象があります。
結局のところ、仕事や学校以外の人付き合いが、親しい友人や家族で帰結してしまっているという人も増えているのではないでしょうか、、。
上記理由で孤立化が進んでいると考えますが、孤立化すると日々の精神的なストレスのはけ口も減ってしまいます。
その結果として、家庭内虐待が起こっているという側面もあるのではないかとの分析を私はしています。
まとめ
虐待件数増加の要因というのは、「見つけやすい体制が整っている」という側面と、
「社会情勢などの根本要因によって原因因子が増えている」というような側面から考えられると思います。
社会的関心により、通報が増えているのは素晴らしいことではありますね。
一方、課題として人と人とが地域で共生していく社会(地域共生社会といいます)から遠ざかってしまっている点はあると思います。
やはり、人とのつながりによって人は生かされている生き物だと思いますので、気軽に参加できるようなイベントを地域で開催するとか、隣人に回覧板を回す際に関係性作りを意識した会話をしてみるというような、個々の工夫が大切になってくるのかなと思っています。
地域社会で、虐待に向き合うことができれば良いなと思っています。
拙い文章ではありましたが、ここまでご覧いただきありがとうございました(^^)/