「うつは甘えだ!!」
こんな言葉を聞いたことがある人、いるんじゃないでしょうか。
精神疾患として、正式に認められていながらも、症状が抽象的であったり、わかりにくかったりするために「甘え」などとして、苦しんでいる人をさらに追い込むような風習が残念ながらまだ一部ではあります。
しかし、そんな状況を好転させるニュースがありました。今年6月にうつ病の元となる遺伝子が存在することが明らかになりました。
慈恵医大の近藤一博教授グループは人ヘルペスウイルス6に注目し、ウイルスの遺伝子がうつ病の原因となることを突き止めました。
今までの研究で、ヒトヘルペス6は疲れが溜まることで唾液の中で増殖されることがわかっていたそうですが、このヒトヘルペス6が多いと、脳状態のストレスをためやすいことが、マウスの実験で明らかになったそうです。
さらには、ヒトヘルペス6(SITH-1タンパク質)が脳の中にある人は、ない人に比べて12倍もうつ病に感染しやすいことがあきらかになったそうです。
このウイルスの発見が大きいのは間違いないですが、一方で誤解に気を付けなければなりません。
「うつ病の人が必ずしもこの遺伝子を持っている」とは言えません。ですので、ヒトヘルペス=うつ病と決めつけてしまうのは間違いです。
あくまで原因の1つとして、このヒトヘルペスウイルスというものが存在すると明らかになっただけですので、医療行為によってウイルスが発見できるとは言い切れないんですよね。もし発見できたとしても、「ウイルスが存在するのでうつ病である」と言い切れるわけではないのです。
とはいえ、原因の1つにうつ病の遺伝子を持っている可能性があるとわかったことは、非常に大きな進歩ですよね。
「うつは甘え」という概念に一石を投じた結果になったのではないかと個人的には考えています。この遺伝子が原因でうつ病になっている人が存在する以上、甘えだという理論は破綻していることになりますからね。
誰がこの遺伝子をもっているかだなんて、わかりっこありません。ですので、誰に対しても、「うつは甘え」だなんて言ってはいけないのです。
しかし残念ながら、うつを言い訳に甘えてしまう人もいるんですよね。そのような人が、誤解を生む原因となり、本当のうつ病患者を困らせているんじゃないかなと思います。ですから、うつと甘えを正確に区別する必要がありそうですね。
うつ病と甘えを区別しているサイトを見つけましたので、紹介したいと思います。
本当にうつ病の患者さんは、社会的理解を得られずに困っているんですよね。この遺伝子発見というニュースは、社会的理解に繋がる要因となりえますので、患者さんにとっては非常に大きな希望の光と言って良いと思います。
もしこの記事をご覧になっていただけたのであれば、「この人うつの疑いがあるな」と日常で感じたら、くれぐれも「甘え」だなんて言わないでいただきたいのです。
きちんと基準を設けて判断したうえで、甘えていると感じた時にだけ、「甘えだ」と叱責して頂きたいと思います。
少しでも、社会的な理解が早く深まれば良いなと思い、この記事を書かせていただきました。
拙いブログではありましたが、ここまでご覧いただきありがとうございました(^^)/